ブータンは、自国の文化をとても大切にしています。
中国と、インドという大国にはさまれた小さな国。
だからこそ、自分たち独自のものを大切に大切に守り抜き、
アイデンティティを高めています。
ブータンにはこれまで当ブログでも紹介してきたように、
独自の文化がたくさんありますが、
特にゴ・キラは最強のブータン文化です。
ゴ = 男性の正装
キラ = 女性の正装
左がキラ、右がゴです。
日本でいうと、スーツみたいなものでしょうか。
官公庁、銀行、さまざまな会社に勤務している人々や、
タクシードライバーさんたちはみんなゴとキラを着て正装で出勤。
学校の制服も、ゴとキラに基づいていますので、子どもたちは毎日ゴとキラを着ています。
もちろん先生たちも、です。
まずは、私も学校隊員として毎日着ていたキラから。
キラとは、広げてみると1枚の大きな布。
インド製の機械織りが多く流入してきていて、それらは安いのですが、
これは、ひとつひとつの刺繍がしっかり施されているちょっと豪華なものです。
お値段も、手織りのほうが高くなります。
↑このキラは私がお世話になっていたブータン人の大家さんが織ったものです!
↑これは、同僚の先生がプレゼントしてくれたもの。
村人さんや同僚の先生が、着なくなったものを譲ってくださることが多かったので、学校へはありがたくそれを着て行っていました。
この大きな布を、決まった手順で体に巻きつけて、ケラというベルトのようなもので締め上げて着ています。
フルキラとハーフキラがあり、フルキラは冒頭の写真や下の写真のように体全体を覆うことができます。
ちなみに女の子たちの学校の制服は、フルキラです!
ハーフキラは、文字通りハーフです。
腰から下だけキラを巻きます。
普段使いの汚れやすいキラは、だいたいがチェック模様や縞模様です。
袖と首のところから見えているのはウォンジュ、その上に着ているジャケットのようなものは、テゴといいます。
ウォンジュはテゴよりも薄い布でできています。袖は長めに作られていて、2-3回折り返すことで、中の色が見えるように着ています。
ブータン人は、とにかく色のマッチングを大事にします。
私が着ていったキラとテゴの色のダメ出しや、着方のダメ出しを何度されたことか!笑
でも、ダメ出しによって自分がうまく着られるようになっていったのも事実です。
とにかく、みんな面倒見がいいのです💕
私は、どちらかというとハーフキラよりもフルキラが好きで、自分で買うのはいつもフルキラでした。
ジャケットであるテゴを脱ぐと、ウォンジュとフルキラだけになるのですが、
私はこのスタイルが大好きでした!
次は、男性用のゴ。
このゴも、脱いでみると1枚です。
それを、ケラと呼ばれるベルトで縛り上げています。
ゴを着ているときは、スカートを履いているような感じになっていますので注意が必要です。
ゴは重ねている前の部分に手を入れることができますが、
ブータン人のゴの中はまるで四次元ポケット〜!
大人だったら、この空間でのスマホ所有率は97%、
ペンやメモ帳などのちょっとしたものはだいたいここから出てくるし、
みかんやりんごなどの小さいフルーツもこの中で温めていて、ゴの中から取り出して豪快にかぶりつきます。
ブータン人男性はバッグなどの手荷物を持ち歩きません。
その代わりに、ゴの中がふくらんでいるのです☆
ゴのほうが着るのが難しいと思います。
学校で動き回ると崩れてしまうので、小さな子たちは、助け合って直しています。
では、最後に〜素敵なゴ&キラ コレクション〜
仏教のお祭りのときはスペシャルです!
小さい子どもたちもバッチリ着こなしています!
山の国ブータンの中でもさらに山岳地帯に住む民族は、またちょっと違う、こんな衣装です。
もしブータンを旅行されることがあったら、その際はレンタルでゴとキラを着ることができます!
もちろんブータン人のスタッフさんが着付けてくれますのでご安心を。
以上、ブータン文化のご紹介でした。