途上国ライフ

図工と体育と、ときどき英語。元公立中学校教諭、現途上国の小学校の先生。

【JICA海外協力隊】派遣前訓練

JICA海外協力隊の隊員として派遣されるためには、

合格後に70日間の派遣前訓練に参加し、修了しなければなりません。

今日は、その「派遣前訓練」について書きます。

 

 

派遣前訓練は、日本国内の青年海外協力隊訓練所にて70日間行われます。

派遣国によって、事務局のほうで入所する訓練所が振り分けられます。

(自分で選ぶことはできません)

 

①駒ケ根青年海外協力隊訓練所(長野県駒ケ根市)

②二本松青年海外協力隊訓練所(福島県二本松市)

 

ほとんどの場合は、①②のどちらかになります。

私は ①駒ケ根 でしたので、②二本松 のことについてはわかりません。

①駒ケ根 のことについて、書いていきたいと思います。

(※2018年当時です。今は変わっている点があるかもしれませんがご了承ください。)


f:id:cradle111:20200704153537j:image



 

私は10月入所、12月修了の隊次でしたので、秋の長野県を満喫できました。

日々少しずつうつろう紅葉の様子を楽しんだり、

秋のきれいなアルプスや、澄み渡る空を見たりしました。



f:id:cradle111:20200704161119j:image

↑訓練所の中庭です。

 

 

 

 

【派遣前訓練の一日】

 

 

6:30~ 朝の集い・運動

訓練所の駐車場に整列し、全体で諸連絡・ラジオ体操・準備運動を行います。

その後、体育委員さんが考えてくれた軽運動メニューを行うか、ランニングに行くかを選択します。

私は、だいたいランニングに行っていました。

ランニングは1km~3km程度で、その日の自分の体調で決められます。


f:id:cradle111:20200704161132j:image


f:id:cradle111:20200704160927j:image

こんな景色を見ながら走れます!

 

 

 

7:30~ 朝食

汗をかいてスッキリしたあとは、朝ごはんです。

食堂で、ワイワイ食べていました。

朝限定で、コーヒーマシンが稼働しています。

コーヒー好きの私にはたまらなくありがたい存在でした。

 

 

8:30~ 語学訓練

派遣国での公用語に合わせて、語学を学びます。

駒ケ根では、英語・スペイン語・フランス語・ネパール語・シンハラ語・ヒンディー語・キルギス語が開講されていたように思います。

英語・スペイン語(主に南米隊員)・フランス語(主にアフリカ隊員)は大所帯なので、

入所時に行われる試験によってクラス分けされます。

1クラス5人前後で、一日の半分以上をこのメンバーで過ごすため、

家族みたいに仲良くなっていきます。


f:id:cradle111:20200704165237j:image

 

講師の先生は、長年協力隊員育成にかかわっていらっしゃるその言語のネイティブやエキスパートが勢ぞろい。

訓練言語が英語以外だったとしても、70日後には、現地でコミュニケーションがとれるように育ててくださいます。

もちろん、自分自身の努力あればこそ。

青年海外協力隊訓練所は、最強の語学学校だと言われることもあるようですが、納得です。

 

 

12:00〜 昼食

午前中のクラスのメンバーと食べることが多かったです♫

昼食後の昼休みは、各自部屋で休んだり、勉強したり、係の集まりがあったら参加したりと、思い思いに過ごします。


f:id:cradle111:20200704165300j:image

 

 

 

13:30〜 午後の課

午後は、語学訓練の日もあれば、

地域実践と言って地域の中で活動するものがあったり、

講堂で、講義を受けたりしました。

講義は、外から外部講師さんが来てくださり、

隊員としての役割や果たしてほしい使命、心構えの講義に始まり、

日本の外交やODAについて、

病気の予防、健康な体づくり、

派遣国で使えそうな活動のアイディア、

パソコンに関する知識、防犯訓練、

応急処置の仕方など

本当に多岐にわたりました。

テロに巻き込まれたときの身の守り方も実際に練習しました。

 

 

 

地域に出て地域の方と活動するときは、

公民館や駒ヶ根テラスという市民の憩いの場を活動場所として、

どうしたら若い層に駒ヶ根に来てもらえるかを考えたり、

少子高齢化への対応策についてアイディアを出したりしました。


f:id:cradle111:20200704162151j:image


f:id:cradle111:20200704162208j:image


f:id:cradle111:20200704162235j:image

 

その他にも、委員が中心となって内容を考える「生活技法講座」というものがありました。

 

派遣国では限られたものしか手に入らないことが想定されるため、

その中でどんな工夫ができるかを考え、

計画を練るところまでは委員が行います。

講座では、班で試行錯誤しながら調理します。

このときは、小麦粉とりんごはどこの国でも手に入るだろうということで


f:id:cradle111:20200704165611j:image


f:id:cradle111:20200704164209j:image


f:id:cradle111:20200704164220j:image

お肉を使わない唐揚げのようなものに挑戦してみたり、


f:id:cradle111:20200704164248j:image

スコーンとりんごジャムを作ってみたりしました。

 

 

 

余談ですが、毎週火曜日は予防接種の日で、派遣国の状況に合わせて、必要な予防接種を受けました。

結核や破傷風もですが、

ブータンが特徴的なのは、狂犬病です。

狂犬病だけで3回打ちました。

多いときは左腕と右腕に一箇所ずつ打っていて、精神的ショックを受けている隊員もいました。

 

 

17:00 終業

ここから先は、22時の門限までは自由です。

(22時の時点で訓練所に戻っていなかったらペナルティがあります)

語学教室に残って自習する人、

体育館でスポーツをする人、

委員会や係の活動をする人、さまざまです。

 

また、17時からは訓練所の外に出ることもできます。

仲間と外にでかけて、夕食をとったり、飲み会をして親睦を深めたりすることもありました。

(その際は事前に欠食届を出す必要があります)

※訓練所内は酒類の持ち込み禁止です。


f:id:cradle111:20200704161338j:image

これは、駒ヶ根駅前の唐揚げ屋さん。

きっと、駒ヶ根の訓練生は一度はお世話になると思います。


f:id:cradle111:20200704165630j:image


f:id:cradle111:20200704165642j:image


f:id:cradle111:20200704165652j:image

こちらはピッツェリアです。

雰囲気が素敵でした!

週末、土日に班の人や仲がいい人と行く、というパターンが多かったです。

 

 

訓練所の近くには、中央道駒ケ岳SAがあります。(徒歩5分程度)

SAのコンビニが、訓練所からいちばん近いコンビニでしたので、夜の時間に行く人が多かったです。

 

 

 

23:00 消灯

おやすみなさい!

 

 

【番外編】

駒ヶ根市は訓練所があるということもあり、国際色が豊かです。

駒ヶ根市で行われるイベントには、訓練生も参加できます。



f:id:cradle111:20200704212235j:image


f:id:cradle111:20200704165600j:image


f:id:cradle111:20200704165927j:image

↑こちらは世界の国のブースが出て、いろんな情報に触れることができるフェスタの様子です。

駒ヶ根の子どもたちは、他の場所の子たちよりも協力隊や世界の国への興味が強いかもしれません。

 

 

 

まだまだ書ききれませんが、以上が、

ざっくりしとした派遣前訓練の様子でした!

 

興味のある方の何らかの参考になれば幸いです。

読んでいただきありがとうございます!