途上国ライフ

図工と体育と、ときどき英語。元公立中学校教諭、現途上国の小学校の先生。

【JICA海外協力隊】JICAの優しさ ― またいつか、国際協力へ

現在、JICA海外協力隊員は、コロナウイルスの影響で一時帰国。

日本国内で待機中です。

本来の任期は2年間ですが、それをまっとうすることなく帰国しています。


 

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そして、私のような任期半ばでの帰国隊員は、1,800名近くいるそうです。

先が見えない不安感。どうなるかわからない焦燥感。

派遣国に戻れるのか戻れないのか、何の見通しも立たず、落ち着かない日々でした。

私たちだけでなく、コロナの影響で進む道が変わってしまった方や、お仕事に大きな影響があった方、人生設計の変更を余儀なくされた方も多いことと思います。

みんな、大変でしたよね。

 

 

 

JICAの青年海外協力隊員として派遣されるときには、JICAと派遣合意書を締結します。

合意書は、派遣前訓練が終わるころに、訓練所で内容を確認してサインすることになっています。

内容は多岐にわたりますが、その中のひとつに「避難一時帰国の上限は120日まで」との記述があります。

120日、4か月。つまり、私たちが帰国したのは3月ですので、7月には、その上限を迎えてしまう計算でした。

帰国当初、私たちは、「120日を迎える7月になっても再赴任の見通しが立たない場合は、合意書を解除する(=隊員としての身分ではなくなる)」と言われていました。

見通しも立たないのに、いつまでも隊員を引き留めておくわけにはいかないというJICAの判断だったのだと思います。

 

 

 

しかし、今回、また方針が変わりました。

新型コロナウイルスの世界的感染拡大という前代未聞の事態に鑑み、

JICAが私たち隊員の身分を再考してくださったのです。

 

私たちは、あらためて以下の3つの選択肢から1つを選ぶこととなりました。

 

①待機期間の特別延長

本来の120日を超えて、10月まで待機期間を延長でき、隊員としての身分も保証される。(おそらく今回だけの特別措置)

再赴任できるような情勢になれば、すみやかに再赴任。その条件下での就労は可。

しかし、派遣期間は元のまま。再赴任の見通しが立った時点で残りの派遣期間が1か月未満なら再赴任はできない。

状況によっては再赴任できないまま当初の派遣期間終了日を迎えることもある。

 

②特別登録 

 いったん、派遣合意書を解除する。

あらためて、3年間有効の特別登録をし、世界の情勢が落ち着いたら、当初の配属先を優先しつつ、隊員本人の意向と条件を勘案して、他の国や案件への派遣についても柔軟に検討。

その場合は、新たに合意書を締結したうえで派遣。よって、残された元の派遣期間よりも長く、派遣国で活動できる可能性が高まる。

 

③辞退

待機延長も特別登録もせずに、合意書を解除する。ただし、派遣期間満了扱いで解除。

 

 

 

①は、当初の期間内は希望を捨てずに、チャンスがあるならもう一度戻りたいと思う隊員のため、

②は、「やっぱりあきらめられない!期間が短くなるのなら、もう一度新たに国際協力に挑戦したい!」という人のため、

③は、未曽有の事態で帰国を余儀なくされた隊員の、新たな人生設計(協力隊とは別の道での就職や就労など)を応援するため

 

の選択肢だと思いました。

 

「一律に合意書解除します!」ではなく、

JICAが我々隊員のそれぞれの立場や、今後のことを考えて、新たに打ち出してくれた救済策だと思いました。

 

隊員それぞれが置かれている状況はまったく異なりますし、考え方も違います。

派遣期間終了後の進路や人生設計も違います。

だからこそ、選択肢を与えてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

またコロナの感染者数が増えてきて、第2波もささやかれているこの頃。

それぞれに考えることはあると思います。

JICAのこの判断に対する受け止め方もさまざまかと思いますが、

今後、国際協力を志す方や、協力隊に興味があっていつか挑戦したいと思っている方の何らかの参考になればと思い、ここに記述しておくことにしました。

 

 


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いつになるかはわかりませんが、また、こんな笑顔に会いたいなぁと思っています。

 

みなさんもどうかご自愛ください。