ブータンは、山の国です。
道路というと、コンクリートの平らな道を想像しますが、
ここの道路は180度違います。
一歩間違えれば崖から落ちる、
岩が落ちてくる、なんてことも。
今回、任地を出て同期と先輩の学校、2つの学校の運動会に行ってきました。
これは、一応、出張ということになります。
運動会については後述することとして、
まず今回は道路状況について。
私のいる村は、首都から22時間、
首都から2泊3日の移動を伴う場所にありますが、
今回、これらの学校に行くのも3日かかりました。笑
山ばかりのブータンなので、平らな道路はほぼありません。
メインの道路はコンクリートで舗装されていることが多いですが、
カーブだらけ。
特に地方に行けば行くほど舗装もなくなり、
道がガタガタです。
車が通るたびに砂埃が舞います。
山の斜面の端っこに、道があるイメージです。
バスやタクシーで道路を走っているときは
まるでナチュラルジェットコースターのように、
上下左右に揺れまくります。
県と県を結ぶ道路はhighwayという名前がついていますが、
コンディションは決していいものではありません。
舗装されていないのはもちろん、
雨のあとは大きな岩がゴロゴロ落ちています。
崩れた跡もよく見かけます。
そういうのを見るとちょっとだけ怖くなりますが、
今のところ事故には遭っていないし、
事故を見てもいません。
ここは敬虔な仏教国ですので、
すべての生き物を大切にします。
蚊やハエも決してたたかないし、
私の同僚は小さな虫が道でひっくり返っていたら
棒を差し出してつかまらせて助けたり、
ミミズが道路の真ん中にいたら
「こんなところにいたら踏まれちゃう」と
葉っぱで拾って道の端っこに移動させたり、と、
小さな生き物に対しても優しい人が多いです。
だから、自然にあるものはそのままにする、
山も掘らない、そういう考えなのかなぁと
思っています。
でも、ブータンには国内にたった1つだけ
トンネルがあります。
そのトンネルを、今回初めて通りました。
中は日本のトンネルと変わりませんでした。
そんなブータンの道路ですが、
国内移動するときは誰しもが通らなければなりません。
車酔い、長時間移動、たくさんのカーブなど、
なかなか厳しい道路状況ですが、
いろんな景色を見ることができ、楽しくもあります♫
以下に日本との違いをまとめました。
①景色を楽しむ!
ひとつめはまずこれ!
自然豊かなブータン、山や川はいうまでもなくもちろんきれい。
自然だけではなく、
牛や馬も道をゆーっくり歩いているし、
ときにはお猿さんにも会うことができます。
各ゾンカク(県)にはひとつ、ゾンと呼ばれる建物があります。
ゾンは、お役所と僧侶の学校が1つになったような建物。
ゾンの立地や形も各県によってさまざまなので、
バスから探して見るのも楽しいです。
これはウォンディのゾン。↑
こちらはチランのゾン。↑
また、ブータンにはいたるところにチョルテンがあります。
チョルテンは、仏塔という意味です。
大きさは大小さまざまです。
こちらはチランのチョルテン。↑
とても大きいです。
小さいものは本当に小さく、
道の途中にちょこんとたっています。
②ワイルドトイレ、ナチュラルトイレ
バスが走行中に、開けた場所に来ると、
突然停車します。
まわりに何もないのにとまる。
なんで、、、?と思ったら、数人が降りてどこか遠くへ歩いていく。
どうやらトイレのようです。
たまに有料の公衆トイレはありますが、
これも首都の近くの道路のみです。
日本のようなパーキングエリアはもちろんありません。
トイレがないのに1日15時間の移動。
これは、もう我慢できないですよね。
同僚は、「これがブータン流のワイルドトイレよ!あははは!」
と言っていたので、
私はワイルドトイレ、または少しオブラートに包んで
ナチュラルトイレと呼んでいます。笑
はじめはかなり抵抗がありましたが、
我慢できるものではないので仕方ない。
地元の人にならいました。
1度経験すると、不思議なもので抵抗はなくなります。笑
日々、強くなっているなぁと思います。
③野菜や果物のお買い物
道中あちらこちらに、
地元の人が営む小さなお店がたくさんあります。
りんご、とうもろこし、ドライチーズ、
お米、きゅうり、バナナなど
主に農産物を販売しているお店です。
ここではトウモロコシを焼いていて、↑
ドライバーさんがおごってくれました!笑
売っているものは時期によって違います。
今はグァバが美味しいです!↑
皮ごと食べられます。
ドライブのお供に、
りんごを買って丸かじりしたり、
長距離バスは朝が早いので
バナナを買って朝食代わりに食べたりしています。
たまーに、お店のマダムは
私達が日本人だとわかると
タダでバナナをくれたり、
とっても値引きしてくれたりします。
きっと私たちがこっちの言葉で会話しているのが
うれしいのだと思います。
今回は、お店のマダムとおしゃべりしていたら、「自分の娘みたい」と言ってくれ、
私たちにこんなに大きいバナナを一房くれました。↑
またもやブータン人の温かさに触れました。
④聖水(holy water)めぐり
要するに、湧き水です。
ドライバーさんは、この近くに車をとめて
空のペットボトルを持って外に出ます。
そして、ペットボトルに湧き水を入れて戻ってきます。
飲む?と聞いてくれますが、
まだ勇気が出ず試したことはありません。笑
こんな場所が、道中たくさんあります。
④ドチュ・ラ
ラは、峠という意味です。
首都ティンプーから地方に向かって走るときは、
必ずここを通ります。
標高は高く、ここを通るときは寒いです。
ドライバーさんは、ここを最低でも1周、
または3周していきます。
この場所にチョルテンが108個たっています。
観光客を乗せたバスはここにとまり、
写真撮影をしています。
ちなみに、首都ティンプーと空港のある県パロ以外で、外国人がブータンの県をまたぐときは、
ルートパーミットが必要です。
観光客はもちろん、現地で働いている私たちでさえ
ルートパーミットがいります。
申請は少し面倒ですが、出張や首都にあがるときは、
これを持って出かけ、関所でチェックしてもらいます。
それだけ管理されているということですね。
以上、ブータンの道路状況でした。
国が違えば道路も違う。
違いも楽しいです。
もし、来られることがあれば参考にしてください。笑