途上国ライフ

図工と体育と、ときどき英語。元公立中学校教諭、現途上国の小学校の先生。

【日常つれづれ】お呼ばれで文化交流

最近、朝晩はとても冷え込むようになってきました。

日本も同じでしょうか。

昼間との気温差は、日本以上にあるような気がします。

季節の変わり目は体調にさらに気をつけないといけないですね。

 

 

さて、今日は「お呼ばれ」について。

もともと、こちらの方々はよくおうちに呼んでくださり、

ご飯を食べさせて?くれるのですが、

最近そのような機会が特に多かったので、

ブータン流「ゲストのおもてなしの仕方」について書いてみたいと思います。

 

基本的にはだれかのおうちに遊びに行くと、

①ティー、②アルコール、③ご飯(※夜の場合。昼だとアルコールはないこともある。)の順番でもてなしてくれます。

 

①ティー(ガジャ:砂糖たっぷりミルクティー)

    (スジャ:塩バターティー)

 

ブータンと言えばガジャまたはスジャです。

「ジャー」はこちらの言葉で「茶」という意味です。

だいたいの場合はガジャを出してくれます。

これを、シュガークラッカーやビスケット、

ザウ(お米をおせんべいのように炒ったもの)とともにいただきます。

ザウは、そのままボリボリ食べてもいいし、ガジャに浮かべてもいいです。

クラッカーやビスケットは、ガジャにディップします。

 

↓ガジャとザウです。

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②アルコール(アラ:ローカルワイン、日本酒のようなもの)

      (チャンケ:お米の形が残っている、アラよりも優しい)

 

ティータイムのあとは、今度アルコールタイムです。

上記のアラまたはチャンケをいただきます。

アラは割と強めで、味も見た目も日本酒にとてもよく似ています。

それを、おちょこのようなものでいただきます。

おうちによっては、普通のグラスでいただくこともあります。笑

チャンケも、お米を発酵させてできたお酒ですが、

お米の粒の形が残っていて、甘味があってアラに比べて優しいです。

↓これがチャンケの元。

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↓お湯を足して火にかけて温めます。

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どちらも好きですが、「アラとチャンケどっち飲む?」と聞かれたら

私はチャンケと答えます。笑

 

そして、お酒のお供のおつまみはエゼです。

エゼは、辛いです。

おうちによっていろんなエゼの形があります。

 

↓ベビースターのようなラーメンをバキバキ割って、唐辛子と玉ねぎを刻んで

チリパウダーを真っ赤になるまでかけたエゼ。

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赤いカップにはできあがったチャンケが入っています。

 

↓麩菓子のようなお米の粒+チリパウダー+唐辛子のエゼ。

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玉ねぎと唐辛子のみじん切りは、だいたいどこのおうちでも共通で入っています。

※唐辛子は基本緑色です。

赤もありますが緑のほうが辛いらしいです。

ローカルチーズが入っていることも多いです。

こないだ行ったおうちでは、

↓エゼにトマトを入れてくれてちょっとうれしかったです。笑

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アラとエゼ、またはチャンケとエゼでセット。

お誕生日会などでたくさん人が集まるときには、瓶ビールがあることもあります。

 

①と②で、だいたい2~3時間でしょうか。

その間はひたすらおしゃべりです♪

みんな、よくしゃべる!

 

 

そして、最後が ③ご飯 です。

 

ブータンの食事はたっぷりのご飯とカレー、ダル(豆スープ)が基本です。

カレーと言っても日本のカレーとは異なります。

カレーとはつまり唐辛子です。笑

じゃがいも、大豆、大根、ほうれんそうのような葉物野菜、キャベツなど

なにかしらの野菜をたっぷりの油で炒め、

水を足して煮込み、切った唐辛子とローカルチーズを加えます。

まあ~辛いです。時にはせき込むほど。笑

辛さを中和するには、たくさんのお米が必要です。

だからとにかく食べる食べる。

主食はお米の場合がほとんどですが、

小麦粉で作られたケプタンと呼ばれる

ナンのようなものを食べることもあります。

↓これがケプタンです。

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そして、この前行ったおうちではマダムがパンケーキを焼いてくれました。

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主食としてのパンケーキです。

とってもおいしかった!!!

 

ダルは、豆スープです。これがけっこうおいしくて好きです。

豆をすりつぶしたようなスープで、日本のみそ汁のような位置づけでしょうか。

ダルをご飯にかけて食べることもあります。

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↑右下がダルで、左下がビーンカレー。

この日はパンケーキでしたが、

だいたいご飯のバランスはこんな感じです。

この大きなプレートいっぱいのご飯に、

ちょっとのカレー、ダルというのが

ここでは一般的なバランスです。

 

↓こんなふうに、大皿やお鍋ごとテーブルや床に並べて、

各自でお皿に盛ります。

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ご飯のときは、必ず、けっこう強めにセカンドシェアを勧められます。

もっと食べる? 食べなよ!! 入れてあげる。と。

丁重にお断りしても、何度も何度も。

だから、セカンドシェア前提で、最初の取り分を少なくするのは鉄則です。笑

 

お気づきかもしれませんが、ブータンではご飯の前にお酒をしっかり飲みます。

日本のようにご飯と一緒、ではないです。

だから、おなかがすいているときは、すぐに酔います。笑

しっかりビールやアラやチャンケを飲んでから、

これまたしっかりご飯を食べるので…体重管理が大変すぎます。笑

 

 

だいたい、夜にお呼ばれする場合だと、

このような夜ご飯をいただくのは21-22時です。

そして、ご飯を食べたら寝ます。

私は、そんな時間にご飯食べてすぐ寝るなんて・・・!!と思ってしまいますが

これが、この国流の幸せの形なのでしょう。

文化に触れる、一緒に楽しむことも大切だなと思います。

ランニングをするようにしているので、まあ大丈夫でしょう!笑

最近は、気軽にアラを飲みに行けるようなおうちもできました。 

 

お呼ばれしたときには、お礼として日本のものをもっていくようにしています。

ちょっとしたふりかけのパックや、緑茶水出しパック、

日本の飴、キャンディーなど。

「日本のものだ~」と、特に子どもたちには喜んでもらえます。

あるおじさまは日本にとても興味があり、緑茶ファンになってくれました。笑

 

学校以外でのこんな交流、とってもおもしろくて好きです。

招いていただけるというのは、とてもありがたいことです。

今はまだしてもらってばかりですが、

ちょっとずつ返していきたいなと思います。