【出張ワークショップ】ブータンでも知られる日本の『UNDOKAI』
日本での台風19号の被害に心を痛めています。
まだこれからも洪水や浸水の被害が拡大しそうだとのニュースを見て、
とても心配です。
私の育った関東をはじめ、近隣の都道府県の被害が大きいようでショックです。
今私ができることがないのが心苦しいですが、どうかみなさん安全第一で。
被害ができるだけ少ないように、被災地が早く復興するようにお祈り申し上げます。
今回は、先週参加した同期隊員・先輩隊員の学校で行われた運動会についてのレポートです。
私自身、今学校で体育をやっているということもあり、招待していただき、
事務所の承認をもらい、学校を休んでオフィシャルの出張で参加してきました。
なんせ移動に時間がかかるので、2日間のイベントに参加するために
トータル9日任地を離れました。
ただ見るだけでなく、道具を出したり子どもの誘導をしたりと、お手伝いもしました。
一言で言えば、「ここは日本か?」と思うほどのクオリティー。
プログラムは、日本同様に開会式、準備体操に始まり、
学年ごとの発達段階に合わせて種目が割り当てられていました。
カラーでチーム分けされ、得点を競うのも同じです。
玉入れ、
綱引きなど、おなじみの種目はもちろん、
障害物競争や、
台風の目、
大玉ならぬ小玉送り、
段ボールを使ったキャタピラーレースや選抜リレー、二人三脚など、
種目の種類がたくさんありました。
日本人ボランティアが主催しているのだから、
日本流になるのは当然と言えば当然なのかもしれませんが、
外国でもここまでできるものなのだなあと感心しました。
個人的には、ブータンの先生方は「前もって準備する」ということをあまりしないと感じています。
現に、同期隊員も「一か月前から運動会の文書をつくり、
担当の仕事を振り分け、ていねいに説明して回ったのに、
前日になってたくさんの先生から質問されてイラだった」
と話していました。
そう、まだ時間があるからいい、と思い、前もってはやらないのです。
↑これに関しては、自分も耳の痛いところではあるので、あまり言えないのですが…笑
でも、もちろん仕事に関することは計画的にやれました。
ただ、ギリギリからの追い込み、頑張りはものすごく、目を見張るものがあります。
前もってやらなくても、間に合わせてしまうのだからある意味すごいです。
ブータン人は、普段から競うことが大好きです。
日本人の私は、すべてを競いごとにしてしまうことで逆に教育的効果が薄れることもあるのではないか、と思ってしまうのですが、
とにかく何でも競いたがるのです。
体育の授業で競いごとをするときはもちろんですが、
たとえば教室やトイレの清潔さを先生が評価して点数化したり、
教室掲示competitionがあったり、
選抜のReading competitionがあったり(英語の本の音読)、
立候補制による、歌うま選手権があったり。
スポーツも割と好きなようで、ほぼ毎週末なんらかのスポーツの
トーナメント試合が開催されています(ただし一部の選ばれた生徒のみ)。
競うことによるメリットはわかります。
ですが、トイレや教室に関しては競争でなくても普段から意識して清潔を保つべきで、
点数のためだけに取り繕っている姿を見るともやもやしてしまいます。
まあ、今日はそれは置いておいて。。。
基本的に競争が大好きな国民性なので、運動会は本当に盛り上がっていました。
上述した競いごとは、一部の生徒だけが参加する、という場合が多いですが、
運動会は全員が参加できるという点でもとてもよかったと思います。
一学年に一つ種目が与えられていたので、
「一人一種目参加」となり、所要時間も短かったです。
日本のように一日がかりではなく、
8:00~13:00というコンパクトぶり。
近年温暖化で暑くなってきていますので、これはありだなと思いました。
ブータンのランチタイムは13:00~14:00と考えられているので。
それにもピッタリ合っていました。
自分が出場しない時間は、応援席で自分のチームや他学年を応援します。
チームごとの応援ソングもちゃんとありました。
応援合戦は日本以上に盛り上がっていると感じました。
子どもが動く「係」活動はまだそんなに活発ではなかったものの、
先生方がそれぞれの仕事をしっかりし、動いたおかげで
スムーズに運営されているなと感じました。
この日は、県のえらい役職の方がお見えだったということもあり、
えらい人が来るとなると気合の入り方がいつもと全く違うブータンの人々なので、
その影響も大いにあったと思います。
それでも、運動会という概念がないこの国の学校に
運動会を教え、先生たちだけで運営し、
子どもたちが意義や目標、ルールをわかったうえで競技に取り組む…
このレベルまで持っていくのに、各学校の隊員はとても苦労したと思います。
私は本番を見ただけですが、
日本の学校同様に、ひとつの行事を動かすことの大変さ、同時に
やりがいに関して思いを巡らせました。
普段の授業の延長線上に行事がある、ということについて考えました。
行事だけでなく、普段から頑張り、その普段の頑張りの積み重ねを見てもらうのが行事であるべき。
この日競技に向かう子どもたちの顔は、自信ありげでりりしかったです。
そんな様子を見て、私も2年目に何かやりたいなと思いました。
今、考えているのは美術作品展です。
誰かに頑張りを見てもらう、って、大人でもうれしいですよね。
また、計画を練っていきたいと思います。