途上国ライフ

図工と体育と、ときどき英語。元公立中学校教諭、現途上国の小学校の先生。

【学校・お出かけ】(ほぼ)ガールズピクニック♪

11月19日、ブータンでは仏教の大事な祝日。おめでたい日。

次の日からテストが始まるというのに、前日に

「マダム!明日ラカン(お寺)とドゥプチュ(聖水のある場所)

 にみんなで行くから、マダムも来て!」

と、子どもたちが言うではありませんか。

 

先生らしく、おせっかいにも「勉強は?」と聞いてしまいました。笑

子どもたちは、

「テストでいい結果を残せるように、テストの前に

 神聖な場所に行って、お祈りするんだよぉ」と。

なるほど、確かにこの国の人は大事なことがあるとその前にお寺に行きます。

(特に私の村はみんながうらやむほどの

大きな、立派なお寺があるのでなおさら)

 

お寺は何度も行っているので私的にはおなかいっぱいなのですが、

「午前だけだから!」と言うので、行ってみることに。

 

道中はこんな感じの草の上をひたすら登っていきます。

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そして、ラカン(お寺)に到着。


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ラカンの建物の中に入って、お坊さんからblessingを受けます。

※建物の中では撮影禁止ですが、大きくて立派なブッダの像や

死後の世界を描いた壁画などがあります。

 

終わったら、ひもか糸をもらいます。

この日は糸をもらいました。

いつもは1本ですが、隣に座っていた子どもが

私にたくさんくれるように頼んでくれました!


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これを首に巻いておくと、よくないできごとから身を守ってもらえると信じられています。

私も何本か巻いています。

普段はキラ(ブータンの伝統衣装)の中にしまっているので見えませんが、

こんな感じです。


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続いて、ドゥプチュへ。

チュは水という意味です。

一応、案内板?のようなものもありました。


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way → と書いてあります。おもしろい!

 

その道を通り、山を登って、たどり着いたドゥプチュ。

岩からしみ出てくる水のようです。

たまに岩から滴り落ちる水を、

子どもたちは争うようにペットボトルに集めていました。


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この建物の左側の岩から、

水がしみ出てきているようです。
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このような神聖な場所には、

だいたい「ルンタ」と呼ばれるカラフルな旗があります。

この旗にはお経が書かれていて、

風に吹かれて旗がなびくと、

そのお経が風に乗って人々に行き渡るのだそうです。


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次に、洞窟のような場所に案内してくれました。


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小さい頃、この中に入ったと言う男の子。

二度と出てこられなさそうな雰囲気があり、

ちょっと怖かったです。
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この大きな岩は、天使の体が描かれているらしいです。

私にはよくわかりませんでしたが・・・


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道中のベンチに干してある唐辛子。


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たまに民家がありますが、柵をくぐって通ります。


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野生の牛が敷地内に入ってこないようにするためです。

 

木になっているたくさんの梨。(サイズはちょっと小さめ)


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その木によじのぼってガールズのために梨をとってくれたボーイズ。


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ありがとう。

一昔前の日本の光景を見ているようで

なんだか懐かしくなりました。

 

歩いているうちにお昼の時間になりました。

平らな場所を探します。


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ここで、ボーイズは帰宅。

 

お昼ごはんは、平らできれいめの場所を探して、

地面に座って食べます。

家から通っている子たちが、packed lunchを作って持ってきていたので、

それをいただきました。

寮で生活する子たちと、私の分を持ってきてくれていました。

おかずもごはんも、なんでも分け合う優しいブータン人です。

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ちょっとずつもらったご飯とおかずで、おなかいっぱいです。


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ありがとう。

 

 

昼食後、解散かと思いきや

「これから湖を見に行こう!」と言います。

え?湖??ブータンにそんな場所あるのか!と思ってしまった私。

「もう冬休みだし次いつマダムとみんなで行けるかわからないから」

とゴリ押しされ、根負け。

行くことにしました。

 

ご飯を食べた場所から1時間弱、山道をのぼって、


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寮生の子のうちの1人のおうちに到着。

その子のご両親が出迎えてくれて、みんなでティータイムです。


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その後、ご両親も加わって例の湖を見に出発。

道中、お母さんが枝をぶった切って杖を作ってくれました。

杖がないとしんどくなるような

急こう配の場所がけっこうたくさんありました。


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「私たちはいいけど、マダムは慣れていないから気をつけて」

「ゆっくりでいいからね」

と声をかけてくれます。優しい。

実際、雨が降った後はよく滑っていたのですが、

この日前後は雨が降らなったので大丈夫でした。

(今、ブータンは乾季です)

 

 

湖が近づくと、何度も何度も

「マダム!湖が見えても、おお~、とか、わあ~、とか、

大きな声出しちゃだめだからね!!湖には

マーメイドがいて、大きな声出すとびっくりしちゃうから」

と、注意喚起されました。

 

 

いるわけない、と思ってしまう私。

心がすさんでいるのでしょうか・・・

 

歩くこと30分くらい。

着いた場所は、森の中で、干からびていて水がなく、

とても湖とは思えない場所でした。

いろんな意味でびっくりしすぎて、写真を撮り忘れました。笑

「昔は、ここが湖だったんだよ」と言っていました。

ほう〜。

 

 

さらにのぼり、山の頂上へ。


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曇っているのが残念!

向こうの山も見えました。

頂上から景色を眺めながら、みんなはお祈りの歌を歌っていました。

 

ダルシンと呼ばれる祈りの旗が

たくさん立っていました。

たしかダルシンは、死者を弔うための旗です。


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山をくだり、さきほどのおうちに戻ってきて

ティータイム(その②)。


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お母さんが私にとれたての野菜をくれました。

優しい。

お母さんのお庭です。
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今回はいただいていませんが、

これ、かぼちゃだそうです。


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新しい発見をするたびに、

自分の知ってるものがすべてだと思っちゃいけないなぁ、と思います。

 

ティータイムを終え、お母さんとお別れし

また1時間ほどかけて来た道を戻ります。

 

途中で、何やら生えている草を引っこ抜いて集め始める子どもたち。


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根っこの部分が薬草だそうです。


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その場で皮をむいて食べていました。強い。私は苦くて食べられませんでした。

 

 

 

9時に集合して、帰宅は16時半頃。

午前だけのはずが、1日かけての(ほぼ)ガールズピクニックとなりました。

とっても楽しかったです!

みんなありがとう。

2万歩以上歩きました。

山道をたくさん歩いたので、

筋肉でふくらはぎが太くなった気がします。

 

子どもたちのおかげで、

私はまた素敵な思い出が増えました♪