9月24日は祝日でした。
その名をBlessed Rainy Day、雨の恵みに感謝する日だそうです。
雨が降るから水を得られる。水を得られるから生きられる。
だから、雨に感謝。
日本にいたときは、祝日があっても「うれしいな~お休みだ♪」と思うくらいで、
なぜ祝日なのか、もともとは何を祝うための日なのかについて、
考えることはあまりなかったように思います。
何のための祝日なのか知っていても、それをお祝いすることは少なかった気がします。
日々忙しくしていると、そうなってしまいがちです。
でも、ここだと祝日をきっちりしっかり、
その土地のやり方でお祝いするので、嫌でも何の日か意識します。笑
・・・というわけで、今回は Blessed Rainy Dayについて。
まず、前日に子どもたちが遊びに来ました。
子「マダム、何色が好き?」
私「う~ん、黄色かなあ。なんか元気出るから!」
子「わかった! マダム、バケツある??」
私「あるよ~」
子「ちょっと貸して!!(と言ってバタバタと家を出ていく)」
(数十分後)
子「マダム、見て!お花摘んできた!マダムの好きな黄色もたくさんあるよ!」
私「(なんてかわいいんだ・・・私のために・・・)ありがとう!すてきなお花!」
子「これ、こうやって、バラバラにするの!(と言って裂き始める)」
私「え!なんで?せっかくきれいなのに」
子「このバケツ、お花入れたままね、今日の夜から外に出しておいて!
あした雨が降ったら、バケツに雨水がたまるでしょ、その水で体を洗うと、
体についてる悪いものが洗い流されるから!」
私「なるほど!わかった!やってみる!」
・・・というわけで、お花つきの雨水(この日前後に降った雨のみ)で体を洗うと、
悪霊や病気などの悪いことが、体から流れ、
また元気に生活できると信じられています。
この日は、朝7:00前に学校に行きました。
water fightがあるというので。
なんだろうな~と思いながら行ってみたら、
まあ~すごかった。
まず、バケツに水を汲んでスタンバイ(もちろん花びらつき)。
合図とともに、その場にいる先生、生徒おそらく300人以上が
一斉に水をかけあう。
頭からバケツの水をかけたり、かけられたり。
ひしゃくのようなもので、水をまき散らかしたり。
だんだん寒くなってるのに、まあ~すごいなあ~、みんな風邪ひかないで!
と、呑気なことを思いながら、ちょっと離れたところからビデオ撮影をしていましたが、
最終的には私も先生や生徒にたっぷり水をかけられて
びしょびしょになりました。寒かった~。
そして、水かけがひと段落着いた頃、
その濡れた体を温めるために、
ガジャ(砂糖たっぷりのミルクティー、写真奥)と、
トゥクパ(おかゆのような、すいとんのような。写真手前)が振る舞われました。
それをしっかりいただいて、いったん帰宅。着替えました。
その後、男性の先生方は クル と呼ばれるブータンの伝統的なスポーツを楽しんでいました。
ダーツのような感じです。
でも、もちろんダーツのような素敵な的はないので、
板に描いた的を土にたてて、その的を狙って
石のような、矢のようなものを投げます。
チーム対抗で、優勝チームには現金が賞金として渡されました。
私は、それを観戦せずに、仲良くしてくれている先生に誘われて
プジャ(法要)に行きました。
その先生の旦那さんがモンク(僧)で、そのプジャに参加しているから、
会いに行く、とのことでした。
今住んでいるところから山道を上ること一時間ちょっとで到着。
雨が降ったあとだったし、私の靴は靴底がすり減ってきて凹凸がないしで、
急な斜面では何度もズルっとなりました。笑
でも、ここの人はすべりもせず、サンダルですいすい登っちゃう。
本当に強いです。
私が滑りかけたとき、モンクのお友達はパッと手を貸してくれます。
優しいです。
プジャの会場となっていたラマ(えらい僧)のおうちには、
村人が集まっておしゃべりをしたりご飯を食べたりしながら、
ゆったりと時間を過ごしていました。
私も草の上にあぐらをかいて座って、おしゃべりして、ご飯を頂きました。
村の人々は基本的に英語が話せませんが、
私が日本人だとわかり、
とっても好意的に接してくれました。
私も知っている限りの現地語を使って必死にコミュニケーションをとりました。
中には、「娘(学校に通っている)からあなたのこと聞いてるわ~!
ここに来てくれてありがとうね」と言ってくれるおばちゃんもいて、
うれしかったです。
プジャは、基本的に食べる、しゃべる、お茶を飲む、しゃべる、食べる、聞く・・・
といった感じで時間が過ぎていきます。笑
本来、プジャ中は家の中に入れないのですが、
私がここで働く日本人だと知ったラマが、
ご厚意で一緒に来ていた先生2人と私を中に入れてくれました。
もちろん何を言っているかよくわかりませんでしたが、
一時間以上プジャを聞きました。
仏像の前にたくさん食べ物を並べて、お経を唱え、
最終的にはその食べ物は供え物のおさがりとして分けられます。
とっても貴重な経験でした。
午前中から食べてはしゃべりの繰り返しで、
まったくおなかが減りませんでしたが、
「夕食も食べていって」と言われ・・・
もちろん食べるまで家に帰してくれません。笑
アラというローカルワインも、これでもか、というほどいただきました。
日本で言うと、日本酒の熱燗みたいな感じです。
アラ、アルコール度数が強めなんですよね。
ここは高度が高いので、酔いを感じやすいです。
食べて飲んで・・・が終わったころには真っ暗でした。
誘ってくれたマダム2人をはじめ、
その旦那さん、マダムたちのお友達(モンク)とほぼ一日を共にして、
みんなの優しさ、親切心に触れるたびに、
本当にいい人たちに囲まれているなあ~、と思います。
感謝です。
ラマには「君はここに来られてラッキーだね」と言われました。
うん、たしかにここはとっても平和。
マダムの旦那さん(モンク)は、「これが僕たち流の時間の過ごし方。
ただ食べて、楽しくおしゃべりして、お茶飲んで、お供えをもらって
家に帰る。なんの心配もいらないでしょ?」と言われました。
うん、たしかに。
・・・でも、将来どうしようとか、明日の授業のこととか、
アラを飲みすぎてこのあと滑らないかとか、ふと考えちゃう私は
やっぱりまだまだブータン人にはなりきれないなあ。笑
私は、今配属されている学校では初代のボランティア。
この村で長期滞在する初めての日本人です。
私とかかわる人が、「私の印象=日本人の印象」となるのは間違いありません。
日々生活する中で、マイナスなことを考えてしまうことはあります。
だけど、この日を過ごしたことで、
これから、日本のこともできる限り伝えたいし、
それ以上に、この国のことをもっと知って、学校だけじゃなくて
村の人ともかかわっていきたいなあ、と、気持ちを新たにしました。
みんな、ありがとう!!!
思いがけず長くなってしまいました。
読んでくださりありがとうございます♡